憧れのアルプスへ【燕岳・テント泊】3

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第一駐車場から登山口の中房温泉まではコンクリートの道を歩きます。
夜の間に吹いた風でいろんなものが道の上に散乱していました。
歩くこと10~15分くらい。
人もまばらにいる中、お手洗いに行って、いよいよ出発。AM8:30

アルプス三大急登と言われる道を、テントを担いで登ります。
道は土というより石ころが多い印象です。そして、やっぱり傾斜が急。
段差をひたすら登っていくような感じです。
30~40ℓくらいのザックで登っていくご夫婦や若いカップルに抜かれ、
「(あぁ、軽そうでいいなぁ・・・)」うらめしそうに見つめながらの出だし。

実は、テント泊ザックをぶっつけ本番で背負うのは怖かったので
高尾山~陣馬山縦走で予行演習をしていました。その時は、高尾山から景信山に
来たあたりで「帰ろうかな・・・」と挫折しかけていたのでめちゃくちゃ不安でした。

でも、来たからには登るしかありません。

これまた燕岳に来る直前、イッテQ登山部・マナスル編を見て士気を高めて
いたので、角谷さんの「歩けば着く」という言葉と、中島みゆきの
「荒野より」を頭の中でループさせ、一歩一歩進んでいくのでした。

と、思ったら後ろから「ヤッホー!!!」の声。
小さい子供たちが走ってくるではありませんか!
みんな背中にはちゃんとザックを背負って・・・。

「(あぁ、でも小さくて軽そうなザックや・・・)」

端に寄って道をあけ、先に行ってもらいました。

山でのマナーでよく言われるのは、挨拶と道を譲ること。
すれ違う人には「おはようございます」「こんにちは」
「もう少しですよぉ」などの声掛け。
後ろから早い人が来たなと思ったら山側によけて、道を譲る。
譲られた時は「ありがとうございまーす」を忘れずに。
もちろん正面から人が来た時も、なるべく道を譲る。
すれ違えるくらい広い道なら問題ありませんが、狭い道だと
互いの体や荷物がぶつかって思わぬ事故につながるから。
基本的には登り優先です。下りの人が足を止めて、道を譲ります。

このブログでもマナー違反のおさるさんの話を書きましたが、
今回、燕岳ではマナーが悪いなと感じた事は一度もありませんでした。
強いて言うなら頂上での喫煙ですかね。
せっかく美味しい空気を吸っているのに、風上からタバコ臭いにおいが
流れてくるとそれだけでテンション下がります。
できるだけ喫煙者の方には風下での一服をお願いしたいところです。

さて、話を山行に戻します。
燕岳は、頂上までの間にいくつかのチェックポイントがあります。
第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチ、合戦小屋。

朝の雨天でレインウェアを来ていたのですが、登り始めて15分くらいで
雨があがり、汗が噴き出してきて暑かったので第一ベンチに到着して
それらを脱ぎました。
くっそ重いザックを一度おろすとあまりの開放感に空も飛べそうになりますが、
またザックを背負って第二ベンチを目指します。

登る事に必死になって地面ばかり見てしまいがちだったのですが、ふと
顔を上げると赤や黄色に変わった葉がそこここにあって、まだまだ紅葉を
楽しめました。

風も思ったより強くなく、環境的にはとても快適な山行でした。

あまり大きな休憩は取らず、第二ベンチ、第三ベンチと通り過ぎ、
富士見ベンチで再びザックをおろしての休憩。
残念ながらこの時は富士山は見えませんでした。

一通り休憩を終えたら、重い腰を上げて、再び歩き出します。
次に目指すは合戦小屋。

先ほど私たちを追い抜いていった子供たちと何度かデッドヒートをやって
いたのですが、そこから先では追いつけず。子供の体力恐るべし。


なんとかかんとか合戦小屋までたどり着いたときには疲れ果てており、
ここで大休止をしようということになりました。
それまでは自分でも気付いていなかったのですが、相当シャリばてを
起こしていたらしく、急遽そこで食事をとる事に。
「うどん」ののれんが出ていたので「カレーうどん」を注文。
このうどんがまたコシがあってとっても美味しかったです。
ぺろっと食べてしまいました。
合戦小屋にはトイレもあるので休憩する人がたくさんいました。
また下から荷揚げするロープウェイもあり、

私「あぁ、あれにつかまっていれば上まで運んでくれるのかしら・・・」

K氏「ここまででしょ、あのロープ」

はっ!
いつの間にか心の声が口から出ていたようで、K氏に突っ込まれる始末。
気付くと青空も広がり、最後の一踏ん張りを後押ししてくれているようでした。

合戦小屋の先、樹林帯を抜けると上方に赤い屋根の建物が。
あれが有名な燕山荘だ!・・・でも、その手前になんか道が山有り谷有り
のびてるなぁ・・・。
そう、ここからが私自身、一番きつかったです。
ゴールが見えているのに、歩いても歩いてもまだ着かない・・・。
途中、鎖場も出てきますし(危険ではありません)木段もずらずらと。

ですが、右側には急峻な山々の姿が見え、一気にアルプスに来た
実感も湧いてきます。

歯を食いしばって徐々に赤い屋根が近づいてきます。
建物の真下まで来ると、右にぐるっと迂回するように道が延びていて、
その先にはやや広い木段が。右手のテント場を横目に、
最後の力を振り絞って登りきると・・・

私の知る限り、ここに立った瞬間、全員が感嘆の声を上げます。
目の前に広がるアルプスの大パノラマ!
左を見ると、天に突き刺さるようにのびる槍ヶ岳の姿も。

「うわぁぁぁぁぁぁ!」


自分が疲れ果てていたのも忘れてシャッター切りまくり、一気に元気になりました。
稜線上は風が強く、しばらくそこにいると体力を持っていかれる感覚になり、
急いで更に上にある燕山荘へ向かいます。

つづく

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